プロデューサーズ感想

それでは本題の観た感想を。
前楽のソワレ公演後にもちょこっと書いたけど、この作品はかなり好きだなあと思いました。
やっぱり終始コメディに尽くしているのが好き。
元々の台本や演出がいいからここまでおもしろいと感じるなあと。
翻訳版のちょっと前に来日版もやっていたけど、僕は今回の翻訳版だけを観て
正解だと思いました。
やっぱり来日版を観ちゃうと色々と比べちゃう事も出てくると思うし、
比べながら観るなんて純粋に作品を楽しめないと思う。
後はやっぱり日本語だからより分かりやすいのがいい。
来日版も字幕は流れてたらしいけど、字幕を追いながら舞台観るのはかなり辛いよ。
そんな苦労するくらいなら初めから日本語の方が観る方も楽だしね。
実は昔ほどじゃないけど、ミュージカルは正直苦手意識があるんですよね。
でも、プロデューサーズのような作品だったらとっても楽しく観られるからいいよね。
ちょっとミュージカルは・・・という人でも観やすい作品だと思います。
ミュージカルでも特に悲劇につぐ悲劇なミュージカルは駄目なんですよ・・・・
だから、「レ・ミゼラブル」とかはちょっと・・・・
だから、ぶっちゃけ作品の内容としては「ボーイ・フロム・オズ」より好きだった。
それでは、続きには主要キャストそれぞれの感想やその他諸々を
辛口なのか甘口なのかよく分からない感想で書きます(笑)
来日版を観ていないから比べる事は出来ないし、ミュージカルの知識もそこまでないから
あくまで素人目線での感想ということをご了承くださいね。

(マックス・・・井ノ原快彦)
まずは、心配された喉の調子ですがそこまで酷くない様子だったから安心しました。
台詞で大声を張り上げなきゃいけない時にちょっと枯れているなと思うくらいで。
(「この街で一番になるのは誰と〜」のシーンとかね。)
でもね、この声枯れが逆に僕は良い方向に作用したんじゃないかと思う。
その方が落ち目のプロデューサーを表現しやすくなったと思います。
ただ、声枯れについては前楽よりも千秋楽の時の方が辛そうだった・・・・
でも、歌を聴いてこれは喉にかなり負担がかかる役だなあと納得。
問題の歌については、これまた聞いてビックリ。
かなりいつもと違う歌声でこれまた良かった。
確かに、ミュージカル唱法かと聞かれればそこまでは出来てはいなかったです。
でも、イノッチのすごいと思ったのは普通の人だったら喉の調子が悪く、声が枯れて来たら
そのまま駄目になっていく人が多い中で、声が潰れた中での独自の歌唱法をやっていたこと。
それによって、最後まで潰れることなくむしろ最後の方が良くなって行ったんじゃないかと。
他の人の感想とか観ても最初観た時よりも良くなっているという人が多かったから
おそらくそうだったんだろうと自分の中で思っています。
そんな中でやっぱり観た人はかなり高評価が多い、マックスの2幕でのソロ
「裏切られた!」はやっぱり圧巻でした。
かなり長くてしかも早口。途中にインターミッションを入れるとは言え、
これをやりきるにはかなりの労力がいるだろうと思います。
特に、マックスはこのソロを失敗するとかなり舞台全体に影響すると思うから
それをやりきったイノッチには拍手を送りたいですね。
しかし、あのソロでの早口では一回も噛まなかったのに、前楽では
何でもない台詞の時に2回ほど噛んでしまったのがかなり不思議ですね・・・(笑)
演技についてはイノッチの演技の幅を期待した人にとっては物足りないものだったと思う。
でも、この役じゃあ演技の幅を求めても出来ない役だと思います。
最初から最後まで常に強気のプロデューサーの役だったからね。
ただ、一つだけ難点を言わせてもらうとちょっとイノッチの悪い癖が出たかなあと。
とにかく普通の台詞の時に早口になると勢いに任せて行っちゃうので
何を言っているか分からなくなるということ。
これが今回の舞台でもちょっと出てしまったのが残念です。
                                      
(レオ・・・長野博
長野君の役については「え?本人の当て書き」というくらいに役にぴったりだと思ったのが
第一の感想ですね。
気弱な会計士という役柄もよく演じていたと思うし、良かったです。
さて、上演前更に問題だと思われた長野君の歌についてですが(ファンの皆様ごめんなさい)
「プロデューサーになりたい」で聞いてかなり上達している事に驚き。
これを機にV6の中でのパート割も変わるのでは?とちょっと思いました。
この短期間でここまで上達したんだから、本格的にもっとやればかなり良くなると思います。
ただ、それでもどうしても実力不足という点は否めなかった。
どちらかと言うと高音の方が得意なのかと思ったけど、一番高い高音部になると伸びが
今イチだったり、低温は更に苦手なのか聞こえなかったりとか、
イノッチとの「できるさ」を歌う時にどうしても声量の部分で負けてしまっているのが残念。
役柄とかばっちりだっただけに、惜しいですよね。
                         
(主役2人について)
二人とも3〜4ヶ月というボイトレでここまで上達したのはかなり驚きました。
それでも今回は特に岡さんというベテランで実力が抜きんでている方との共演や
アンサンブルの人達にもかなり上手い人がいたからそういう人達と比べてしまうと
実力不足を指摘されてもしょうがないと思う。
でも、そもそも今ミュージカル俳優として一線で活躍している人達は
今の歌唱力等を得る為に何年もトレーニングをしている人達です。
そういう人達にたった数ヶ月のトレーニングで追いつくなんてまず無理ですから・・・
それを考えた時に僕は二人には今の時点での合格点を上げても良いと思います。
最後のレオもプロデューサーとして認められてマックスから帽子を受け取って
自分たちがプロデュースした作品の電飾に向かって歩いて行き
二人の影が印象的になるラストシーンとかは何度観てもいいと思ったし。
                            
(ウーラ・・・彩輝直
この人については正直期待はしていなかったんですよ・・・・(笑)
だって、周りのヅカファンの友達や姉に聞いたら皆が皆駄目だしをするんですよ。
そんな多くのヅカファンの人達が駄目だしをする元トップの人はどうなんだろうと。
そんな期待をしていなかったからか思っていた以上に良かったです。
これは今までは男役だったから駄目だったのかなとも思ったり。
ただ、どうしても演技の中で男役が抜け切れていなかったり、
彩輝さんも声が枯れて来ていたのか枯れた状態でパワー不足になったりしてちょっと残念。
                        
(ロジャー・・・藤木孝
ロジャーの役についてはかなり浸透していて、こちらも充分に笑わせて頂きました。
しかし、歌についてはですね・・・確かに上手いとは思ったんです。
でも、「演技者」でのプロデューサーズ特集の時に見ていた時は
もっと迫力とかを感じていたんだけど、本番で観ていたら
あれ?こんなもんだったっけ?とちょっと拍子抜けを食らった感じでした。
あれは何だったんだろう?自分でもよく分かりませんが何かそう思ったんですよね。

カルメン・・・岡幸二郎
この人はもう脱帽というしかないでしょう。
この人が何か動くたびに喋るたびに会場に笑いが起きるんですから。
端から見るとオーバーなリアクションもウザイと思わさずに笑いに持ってくる。
そして、他の出演者の中でも群を抜いている歌唱力。
噂の「手の人」(分からない方は岡さんのブログを見てください。)も堪能させてもらいました。
でも、前楽の時は上手側だったから手の場面が最後まで見えなかったんですよ。
でも、千秋楽の時はセンターだったから手の演技もばっちり最後まで観られました。
                          
(ホールドミー・タッチミー・・・松金よね子
この人もかなり笑わせて貰い最高でした。
可愛いんだけど、エッチな所もまた良しです。
それにあの歩行器ダンスなんてかなりきついですよね。
それを最後までやり通すのもかなりきついことなのに、すごいです。
でも、せっかくだから歌のシーンももうちょっと聞きたかったなと。
後は、松金さんが結構何役もやっていたんだけど、
全部把握出来なかったのがとても悔やまれます。
                       
(フランツ・・・桑野信義
クワマンさんはねえ、やっぱりこの人歌手だったんだ(笑)と思った。
歌はかなり上手くてビックリ。
だけど・・・演技面が正直厳しかったと思う。
初ミュージカルだから歌に精一杯で演技の所まで回らなかったのかな。
何かコントをやっているような芝居だったのが残念。
                     
(全体を通じて)
今回は生オケだったからXA〜の席がなかったんだけど、やっぱり生オケの場合は
前列過ぎたら良席じゃないかなと感じます。
僕は前楽がO列で、千秋楽がQ列だったけどこのくらいの距離が丁度良かったと思う。
前過ぎるとオケの音が大きすぎて歌声が聞こえなかったりすることが多いから
生オケの時は程良い距離にいる方が良い席になったなあと思います。
久しぶりに生オケの舞台だったけど、やっぱ生オケはいいね。
                     
前楽には千代大海関(マチネには健君が来ていたみたいだけど)
千秋楽には東山君と岡田君が来ていましたね。
お二人の場合は休憩の時も会場が明るくなる前に出ていき、
2幕も客電が落ちてから入ってくるという徹底ぶり。
しかし、ジャニーズのタレントが同じ事務所の舞台を観に行った場合、
ここまで配慮しないとあのファンの方の騒ぐ行為というのは治まらないもんなんですかね?
何かそれって観に行く側もすごい気を遣わないといけなくなって嫌じゃないですか?
他の舞台でもよく芸能人が見に来る事はあるのにここまで騒がないんだけどな・・・・
同じ事務所の人間が来て嬉しいのは分かりますけど、もうちょっと落ち着きましょうよと
いつも言いたいんですよね。
                            
舞台全体の完成度としては前楽の方が高かったですね。
千秋楽はちょっとダンスが揃わなかったりした所があって、皆様気が緩んだんでしょうか?
「春の日のヒットラー」で卍型を作るシーンがあるんだけど、
あの卍も千秋楽ではずれていて上手く形が作れていなかったし。
それとやっぱり舞台でパンフが売り切れというのは納得行かないよー。
そもそも序盤にちょっとこれはなくなりそうと言って増刷しようとか思わなかったのかね。
主催者側にとってパンフは重要な収入源でしょうが。
それが売れなくなるというのは結構痛手なんじゃないのか?
それだけが残念だな。だから、今日の感想もかなりうる覚えの状態で書いているし。
                  
以上がかなーり長くなりましたが、感想です。
もし最後まで読まれた方がいらっしゃいましたらありがとうございます。